はじめに
7/14 Microsoftから、法人市場向けサービスとして、「Windows365」を8/2からスタートするという発表がありました。
雑に言えば、Windows10 または 11 をAzure上で動かしつつ、Webブラウザからアクセスできるようにしたもので、
物理的にWindowsPCを提供するのではなく、クラウド上のPCを提供するという類のもの。
価格が月額固定になっていて、従量課金であるAzure Virtual Desktopと比較してコストが明確である、という点で
導入者側のメリットになるかなというところでした。
クラウド上のPCを提供する理由
PCのリモート提供(操作)という概念は、決して新しいサービスではありません。
そもそも、演算装置は別にあるというのが旧来の概念であり、データをローカルに置かないというのもリモート提供に近い考え方かなと思います。
それなのに、クラウド上のPCを提供していく理由としては、
- セキュリティ
- 環境統一
という2つのPointがあるのかなと思います。
セキュリティ
新型コロナウイルスが2020年に猛威を振るった結果、我々は働き方を劇的に変化させる必要がありました。
もちろん、もともとある程度の地盤を作っていた企業も、そうでない企業も変えざるを得ない状況に追い込まれることによって、急速に変化を求められた結果として、リモートワーカーが増えたことと思います。
そうなった場合、社員ひとりひとりに新たに管理PCを与えるというよりは、
クラウド上に会社管理PCを立てて、そこで作業をさせるというニーズは以前と比較して増大していると思われます。
環境の統一
開発用のPCを用意する、という観点からもクラウド上に管理しているPCをすぐに用意できるというのはメリットです。
OSのセットアップ、設定作業などをある程度省略して引き渡すことができるので、
管理者、利用者ともに対応が省略されるというのがとても大きいことだと思います。
Windows365がなくてもできる
もちろん、Windows365でなくても、既存のサービス、製品を利用することで同じメリットを享受することは可能です。
一方で、これらを必要とする人(まさにこのサービスのターゲット)は、その構築をすることに高いハードルを感じていたことは事実だと思います。
そうしたハードルを下げて提供する、というのがWindows365提供の狙いなのかなと。
クラウドPCのデメリット
とはいえ、クラウド上にPCを構築して利用する、というのは見逃せないデメリットがあります。
遅延の発生
ローカルPCと比較すると、遅延が発生する可能性は高いと言わざるを得ません。
技術的な進歩、通信環境の改善というバックボーンはあれど、ローカルPCと比較すれば仕組み上、通信が発生する分、
遅延発生の可能性は避けることができません。
あくまでも法人向けサービス
冒頭に記載した通り、法人向けのサービスです。
個人が利用するには優しくない料金が設定されると思われます。
ターゲットは法人、特にもともと提供されているAzure Virtual Desktopの使用に踏み出せなかった中小企業、個人事業主なんかがターゲットになるのではないでしょうか。
まとめ
Windows365について、ざっくり書いてみました。
元々、従量課金のサービスがあるところに、月額固定のサービスを提供してくるあたり、面白いなと思いました。
この流れで個人利用できるクラウドPCみたいなものが安価で提供されてくると、各個人の作業環境も多少変化があるのかなと思います。
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